貸した農地は戻ってこないのか?

新規で農業に参入する場合、一番苦労するのが農地の確保です。

農業従事者の高齢化(後継ぎがいない)、耕作放棄地の増加、等のニュースをよく見聞きするので、農業を始めようと思ったら簡単に農地を確保できるようなイメージを持ってしまいますが、実際はかなり難しいです。

何が難しいのかというと、一つは面積の問題。
農地を借りたり買ったりするためには、行政(各市町村の農業委員会)の許可が必要ですが、その許可条件の一つに下限面積というものがあり、一定の広さを求められるのです。
この一定の広さというのは各市町村によって異なりますが、最低でも10アール(1,000㎡、約1反)で50mプール程の広さなので、農作業を全て手作業でおこなえるような規模ではありません。
そして、この最低ラインの10アールというのは大阪市のような都会での条件で、そんな街中にこの規模の農地がそうそうあるものでもありません。

農地①

行政の許可条件以上に難しいのが、農地所有者の承諾です。
使われていない農地をお持ちの方々は、誰かに耕作して欲しい、と思っていて実際「使って、使って」とおっしゃる方が多いです。もちろん土地利用のお金はいらないとか、逆に耕作してくれたと謝金を支払う方もいらっしゃいます。
ただ、これはいわゆる口約束での貸し借りの場合であって、上述の正式な農地の貸し借りではありません。

では、正式に農業委員会の許可を取るべく書面等を用意した場合はどうなるか?
土地の賃貸期間は3年だけ、という契約になっていても書面に判を押すことを拒否する方が多いです。
単純に契約書や申請書の内容が難しそうだから簡単に判を押したくないという気持ちもあるのかもしれませんが、「(正式に書面で)貸した農地は戻ってこない」という意識が強く働くそうです。

農地なぜそんなふうに思ってしまうのか、じっくりご本人から話を伺ったことがないので私には分かりかねるのですが、お話を伺ったところで農地を所有したことのない者には一生分からないことなのかもしれません。

そして聞いた話によると、この「貸した農地はそのまま取られてしまう」という感情は、西日本特に関西圏に多くみられるものだそうです。
どういう歴史があって関西圏にそういう慣習が色濃く残っているのか、機会があれば一度調べてみたいテーマです。

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